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スカッドとトマホーク



最近なにかと報道で耳にする「スカッドミサイル」と「巡行ミサイルトマホーク」についてである。北朝鮮が使ったのが「スカッドミサイル」でアメリカが「トマホーク」である。

まずスカッドミサイルからであるが、これはドイツの「V2ミサイル」のコピーと言われている。改良版で、燃料タンクを大きくするなどして、射程を伸ばしただけとも言われている。イラクフセインも使った。ソ連が開発したが、原型はほぼV2である。それをソ連がその技術を使って開発した。なのでほとんどV2である。

 

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V2ミサイルを開発したのは、ミサイルやロケットで度々出てくるフォンブラウンである。彼はドイツ敗戦直前にアメリカに投降して、戦後起きるであろう米ソの「ミサイル開発」を予想して、自由の国アメリカを選んだ。ソビエトが侵攻して捕まる前にアメリカに投降したのだ。そして、その技術をアメリカに売って、後年アポロ計画にも参加する。ちなみに逃げきれなかったドイツ人開発者はソ連に捕まり、ロケット開発を続けるのである。現場技術者が多かったらしい。アメリカはフォンブラウンと言う「頭脳」得て、ソ連は現場のノウハウを知る「手足」を得たのである。

フォンブラウンは科学者でそもそも「宇宙ロケット」の研究をしていた。当時は研究と言っても同好会の域を出ず、支援者に頼ってはほそぼそとロケットみたいな物を飛ばしていた。ロケットの兵器研究に目を付けたのドイツ国防軍である。ヒトラーが政権を得る前から、フォンブラウンは軍でロケットの研究をしている。

当時は野戦兵器としてロケットの使用を考えていた。トラックで移動して発射と言う構想も当時からある。戦線を移動させて使いたいからだ。だからV2の移動発射もその延長で初めからあった。なのでちょっと前の「北朝鮮の実験」も想定内である。元々そういう構想で作られた兵器なのだ。特にスカッドは単なるコピーなので、特に驚く事でもない。できて当然だ。

V2にしてもスカッドにしても「弾道ミサイル」である。一旦大気圏外まで上昇して、自由落下で目標に当たる。実際命中精度は大したことがない。V2ミサイルも迎撃が不可能で心理的な効果はあったが、被害はそれほどでもなかった。バトルオブブリテンの「ロンドン空襲」の方が効果があるくらいだ。もちろん心理的には一発でも効果はあるだろうが。

V2の意味「V」は「報復兵器(Vergeltungswaffe)」の略である。当時は連合軍が英国からドイツ本国へ戦略爆撃をしていたから「報復」である。その2号機だから「V2」である。だから「V1」がある。

これは「自動飛行爆弾」のようなもので、時速600キロ程度で飛行して目標に当たる。有翼で直線飛行なので滑走して発射される。飛行場のような基地から発射された。

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この兵器の開発は空軍が行った。V2は陸軍である。前線で「大砲の代わり」だったから管轄がちがう。もちろんフォンブラウンは関与していない。そもそもフォンブラウンは「宇宙ロケット」が専門なので「飛行ロケット」には興味もなかった。

なので、迎撃が可能だった。最初はV1が主流だったが、英国が対策をするようになったので、ドイツ軍は実用段階にあったV2に切り替えた。そう言う経緯がある。

これが巡行ミサイルの原型である。トマホークはV1の進化したミサイルである。低空を飛び、誘導されて目標にあたる。もちろんハイテク兵器なので、GPS誘導である。低空を飛ぶのは「レーダーに映らない」のもある。トマホークもV1のように高速で飛行しない。時速800キロ程度である。V1よりちょっとだけ速くなった程度だ。しかし現在の超音速の戦闘機で迎撃が可能である。もちろん飛行精度や誘導制度は格段に上がっている。それが現代のV1とも言える「巡行ミサイル」である。

弾道ミサイルと巡行ミサイル。ミサイルだが全く異なる兵器である。でも共にドイツが開発した「報復兵器」が発端である。

ちょっとした小ネタでした。

この辺で締めたいと思います。

長文を読んでくださってありがとうございました。

 

 

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