加計と特区

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加計学園獣医学部新設の件である。森友学園の件を書いた手前、こっちもである。これも安倍総理の「お友達」である。教育関係もあり、関連もある。経緯は岡山の岡山理科大学獣医学部を愛媛の今治に新設する。「国家戦略特区制度」を利用すると言う。そして、広島県と愛媛の今治はその「国家戦略特区」である。広島県今治は行政区域が違う。今治愛媛県である。そこも妙な話である。学校用地は今治が無償提供するらしい。設立費用は愛媛県今治が補助すると言う。特区なのだから広島県が出すかと言えばそうではない。獣医学部新設は特区の事業だ。そして特区には愛媛県は関与していないからだ。合体変形ロボみたいな話である。

獣医学部新設に関して京都産業大学も特区制度を利用して申請したらしい。これは却下されたとも、ルールが突然変更になった断念したとも言われている。これが問題になっている。獣医は足りないとか、足りているとか、四国に獣医学部が必要とか。ここまでくるともうなんだか分からない。仮に四国に獣医学部が必要だとして、何故今治なのかも分からない。必要なら、四国の大学が協力して獣医学部を新設するように要望すれば良いと思うのだが。愛媛大学も新設の獣医学部に協力するそうだ。だったら、何も県外の岡山理科大学に頼まずに愛媛大学が自前で今治獣医学部を作ればいいと思うんだけどね。土地は今治市、設立費用は愛媛県ですからね。愛媛大学は国立である。国立大学に国費が使われるのは当然だ。岡山理科大学は当然だが、本校は愛媛県外にある。キャンパスだけ「分校」のように今治にあるのである。四国に獣医学部が欲しいなら、当然本校も四国圏内あったほうがいい。そして施設は愛媛大学も使うのである。

なぜそこまで岡山理科大学に便宜を図るのか?それは加計学園の理事長が総理の「お友達」だからなんでしょうね。って話である。獣医は足りてるから獣医学部は必要ないけど、加計学園だったら「特区」で作って良いってこととしか思えない。愛媛大学が作ったっていいのだからね。ただ規制が多くて認可が下りなかったので、総理のお友達のコネを使ったのだろう。四国に獣医学部が欲しいと言うのも、本音ではあったのだろう。ただコネが無いので認可されなかっただけである。だから愛媛大学は新設を歓迎している。

そして安倍総理のコネで認可が下りた。行政が歪められたと言うのは事実である。従来の規制の枠組みを外して歪めるのが「特区構想」の特徴でもある。今回は役人のコネでなく、安倍総理のコネが効いたわけだ。小泉改革の頃は「官僚支配」が問題になったけど、それは官僚のコネが強かったからである。それが今では政治家とのコネで行政が決まる時代になったと言う事である。それは官邸や大臣の人事権が拡大したとか政治任用が増えたとかもあるのだが。そもそも規制緩和は「官僚の力を弱くする」ことである。簡単に言えば「規制緩和で官僚が弱くなった」のである。

今治市は別に獣医学部には拘っていない。大学なら何でもいいのだ。それは「今治新都市計画」と関係している。

これは本州四国連絡橋と関係してる。そしてその中に「尾道今治ルート」と言うのがある。これは本州の広島県尾道から愛媛県今治を橋でつなぐルートだ。今治は四国側の入り口に位置する。

そしてこの本州四国連絡橋は「無駄公共事業」とも呼ばれている。着工過程でも散々議論された。採算が見込めないとか、そもそも「四国に連絡橋は三つもいらない」と言われていた。そしてその着工の理由づけに登場するのが「今治都市計画」である。連絡橋の経済効果を担保するだめに、四国側の今治を開発すると言う計画だ。これには愛媛県今治市都市再生機構が入っている。今治に住宅地や工場や学校を誘致しようと言う計画だ。「本州と繋がって近くなったから地価も上がるだろう」と言う目論見である。しかしバブルが崩壊して、この開発計画も迷走する。

当初は「尾道今治ルートを止める」と言う話もあった。公共工事全体の見直しである。そうなると繋がらないから、開発計画も崩壊する。それでも橋が完成して用地の買収が始まったのが1999年からだそうだ。もちろん開発は軌道に乗らず、誘致も進んでいない。今治市も計画の見直しを検討したそうだ。

そして、学校を誘致する予定の土地が開発はしたけど不良債権になっていた。よくある話である。臨海副都心計画もそんなもんだ。当初は松山大学が誘致される話だったが、経営が厳しくて頓挫したらしい。実際今治にキャンパスを誘致して採算がとれるかと思えば、難しいだろう。学生が来るとも思えないし、大学の数は足りている。「大学全入時代」とも言われてるのだ。それに伴って経営難の大学の統合が起きている。今治市も責任を回避するために来てくれる大学が欲しかったのだ。始めはやっぱり四国の大学を誘致したかったが、どの大学も来なかった。だから県外に大学にお願いしたら「岡山理科大学が土地を無償提供なら獣医学部を作っても良い」と言う話である。この話に今治市が乗った訳である。開発の不良債権の処理が目的だからだ。

だから「国家戦略特区」の区割りが変なのである。尾道今治ルートの尾道広島県である。今治は四国の愛媛県。現実に不良債権化している四国連絡橋の為の特区である。そうとしかこの特区の区割りは考えられない。だから特区の事業内容に「道の駅の活用」なんてのがある。開発には都市再生機構もからんでるから、獣医学部新設は後付けだ。目的は「不良債権処理」である。イノベーションとか人材活用とかちゃんちゃらおかしい。

だから京都産業大学は却下なのである。今治にキャンパスは作らないからだ。同様に参入を検討した大学もあるようだが、断念したらしい。

もちろん、地元の推進派は支持するに決まってる。不良債権の責任を回避できるからだ。道路公団都市再生機構もメンツが立つ。四国の大学関係者も「今までなかった獣医学部ができる」と容認するだろう。それだけの事になる。「政争の具にするな」って言っても、そもそも「責任回避とメンツの立て方」と言う「政争」にしかなりようがない案件である。

そして、今治市愛媛県も誘致して持ち出しだ。使う岡山理科大学が金を出さず、誘致した愛媛県が建設費用を負担する。どっかの米軍基地みたいな話だが。「教員や教授を招聘するために『おもいやり予算』」愛媛県はでも出すんですかね?って話にもなりそうだ。風評被害で教員が集まらないとか懸念している研究者もいる。獣医学会は反対しているから、新設で何の実績も学部で研究するかと言えば、教員のアテはあるのでしょうか?と懸念されても致し方ない。優秀な研究者は既存の獣医学部で研究するからだ。その方が論文も通りやすい。学者としてのキャリアにも繋がる。

費用負担については今治市は「学校誘致は自治体も費用負担する」「若者が今治に定着する」とか言っている。若者が今治に定着するわけないでしょうがー。って思うんですけどね。学生は卒業すれば出ていくに決まってる。そもとも地元に就職できない。それ以前に学生が就職に不利な地方の新設の学部に来ると本気で思っているのだろうか?それでなくても若者は都会を好む。だから東京の大学は人気があるのだ。そして大企業となれば、新卒は東京で一括採用だ。地方からだと旅費がかさむ。10社も20社も受けられない。不利なのだ。ましてや定着などしない。

結局作ったは良いけど、更なる「不良債権」になることは確実だろうと思うけどね。エライ人にはもっと凄い考えがあるのしょうな。

私は今治市民では無いから、市の無償提供に異議を言える立場ではない。でも「不良債権」を抱える今治市民は「気の毒だな」とは思う。どのみち大学を維持するためにも負担は増えるからだ。仮に私が今治市民だったら「建設反対」するけどね。でも結局できるんしょ?まあ私の税金は使われてないし、今治市政には関与できないからね。豊洲移転と同じである。

そして、安倍総理の問題も政治家と役人の「政争」である。縄張り争いで、政治家のコネが強いか官僚のコネが強いかの話である。「政争」にしかならないのだ。

この辺で締めたいと思います。

長文を読んて下さってありがとうございました。

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