改憲と中曽根康弘

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内閣改造後の会見で安倍総理は事実上5月3日の改憲日程を撤回した。党の議論を注視すると言う。都議選の大敗と支持率低下を意識したものだろう。しかしこれで秋の臨時国会自民党案を出すと言う計画は反故になった。求心力も低下したからね。今回の改造人事も自民党の党内力学に配慮した結果である。自民党は相変わらず「慎重な議論」と言って一向に動く気配がない。来年の通常国会改憲の発議をすると言う計画は完全についえた。時間切れだからね。奇跡が起こるとすれば岸田政調会長の手腕如何だが「慎重な議論」と言う方針は変えていない。完全に主導権は国会の憲法審査会である。

時に中曽根康弘と言う政治家がいる。タカ派改憲派の大政治家である。自民党の重鎮でもちろん総理にもなっている。もちろん今回の改憲で影響力が無い訳がない。永年の悲願の改憲である。もちろん総理になった時はマスコミは「改憲か?」と沸き立った。しかし三分の二の賛成で発議である。中曽根政権の長期政権だったが、断念せざる得なかった。それくらい改憲は困難が作業である。

その中曽根康弘の2017年5月1日の発言である。御年98歳で未だに「新憲法制定議員同盟」を主催していて会長である。なんとまあ98歳である。それでもいまだ壇上に立って改憲の演説をしている御仁である。凄い執念である。並の悲願とか執念ではとても真似できない。それ以前に98歳まで生きられるか分からないけどね。

その発言の骨子を引用する。産経新聞の記事である。

 中曽根康弘元首相(98)は1日、自身が会長を務める「新憲法制定議員同盟」が主催して東京・永田町の憲政記念館で開いた「新しい憲法を制定する推進大会」に出席し、「国民が自らがつくり上げる初めての憲法を目指し、一層の奮起をお願いする」などと訴えた。中曽根氏の発言要旨は次の通り。



 われわれが目指すべき憲法とは、自由と民主主義を軸に国と世界の未来を展望しつつ、日本のあるべき姿を求めるものだ。それはまた国民参加のもとに、真の主権在民たる憲法を作り上げることでもある。

 本年は現行憲法施行70年という区切りの年であり、明年は明治維新150年を迎える。明治憲法は日本が近代化を目指す上で原動力となり、敗戦の後、決まった現行憲法は今日の経済発展の大きな基礎となった。それぞれの憲法がその時代に果たした役割と意義をわれわれは大いに認め、評価する。

 しかしながら、明治憲法薩長同盟という藩閥政治の力の所産であり、現行憲法マッカーサーの超法規的力が働いたことを考えれば、憲法改正はその内容にもまして、国民参加のもとに国民自らの手で国民総意に基づく初めての憲法をつくり上げるという作業だろうと自覚する。

 そこにこそ、われわれの掲げる憲法改正の本質的な意義はある。そのためにも本日お集まりいただいた各党、各派の皆さまには国会の審査の場で各派の責任において、その内容とビジョンを示していただきながら活発な議論のもとに国民世論を喚起し、問題の所在を明らかにするとともに、各党それぞれがどんな国づくりをするのかを国民の前にお示しいただくものだ。そうした活動は国民参加につながって、憲法改正の機運を高め、真の国民憲法実現に向かって邁進(まいしん)することを確信する。

 現行憲法によるこの70年は確かにわれわれの生活に豊かさをもたらした。しかしながら憲法の欠陥とともに、さまざまな問題に直面していることも、また事実だ。われわれはこうした社会現象を憲法に集約し、政治、経済、外交、福祉、教育、文化、科学技術など、それらを新しい国民憲法に反映させながら、日本の新たな未来を切り開いていかなければならない。それはわれわれ日本民族にとってさらなる前進と発展への挑戦でもある。

 憲法改正は、国民世論とともにある。各政党におかれては国民参加を助け、学界やジャーナリズム、経済団体を巻き込みつつ、国民の意見や考えを調整しながら、国民自らがつくり上げる初めての憲法を目指し、一層の奮起をお願いする。

引用終わり。

一見すると「国民全体で議論を深めて新憲法を作ろう」と言う骨子だ。そのためには自民党のみでは無く、広く野党やマスコミも意見も聞くべきである。と言う事だ。そしてその改憲の為に「一層頑張って欲しい」と言う事である。

しかしここでちょっと週刊文春的が邪推として見ると骨子が違って見える。大筋は変わらないが、注目する文言がある。

 しかしながら、明治憲法薩長同盟という藩閥政治の力の所産であり、現行憲法マッカーサーの超法規的力が働いたことを考えれば、憲法改正はその内容にもまして、国民参加のもとに国民自らの手で国民総意に基づく初めての憲法をつくり上げるという作業だろうと自覚する。

この発言である。歴史的事実を言っているようにも感じるが、あえて薩長同盟マッカーサーに触れている。その意図を裏読みしてみたいと思う。

安倍総理の祖父は岸信介である。麻生太郎の祖父は吉田茂である。そして安倍総理の出身は山口県、つまり長州藩士の子孫だ。麻生太郎の祖先には大久保利通がいる。吉田茂の義理の祖父は大久保利通である。薩摩藩の維新の立役者だ。吉田自身は土佐藩士の竹内綱の五男である。そして薩長マッカーサーで押しつけ憲法だと言われたらその通りである。そうでは無くて真にに国民的議論で憲法は作るべきだと言う意見である。

安倍総理は5月3日にいきなり憲法に言及して物議を呼んだ。そもそも、改憲は国会の「憲法審査会」で草案を作るものだ。それをトップダウンで「こうしろ」と言った訳である。それは改憲が党内議論から安倍・麻生の官邸と内閣が主導すると言う意味だ。中曽根康弘はその安倍一強体制に異議を唱えるためにあえて「薩長」を持ち出したと考えるとわかりやすい。明治憲法薩長、現憲法には吉田と岸が関わっている。今回も薩長の亡霊みたいな、安倍総理麻生太郎主導の改憲は許さない。それではまた薩長じゃないか。と言っているのだ。

その意味では都議選の大敗と支持率低下は効果があった。安倍総理は発言を事実上発言を撤回して、改憲作業は党内議論に戻った。中曽根康弘の提唱する「国民議論」に戻ったのである。

安倍政権の風向きが大きく変わったの5月の半ば以降である。森友問題はあったが、籠池の責任してなんとか乗り切った。加計問題も大きく変わったのは「前川事務次官の発言」以降である。官僚のトップである事務次官の告発なので、これは政権に影響が出ないはずがない。

そして前川事務次官中曽根康弘は親族関係である。息子の現参議院議員中曽根弘文の妻は前川事務次官の妹である。中曽根康弘から見たら「息子の嫁の兄」が前川事務次官なのだ。もちろん息子は国会議員である。この告発の裏に何かあると言う噂もある。もちろん中曽根弘文は「一切関係はありません」と言うけどね。

今回の前川事務次官の告発は「自爆テロ」のようなものだ。自ら晒し者になった。文科省防衛省のリークも「安倍政権に対する告発」と言う意味合いが強い。もしこれが政治的影響力を持つ黒幕がいるとすれば中曽根康弘ではないか?とも思えるのだ。目的は安倍総理主導の改憲阻止である。薩長の亡霊の独裁体制で改憲が行われたら死にきれない。だったら安倍政権を潰した方がマシである。大政治家の中曽根康弘である。自民のみならず、野党やマスコミにも人脈がある。総動員してこの問題を盛り上げて5月3日の発言を撤回させた。明らかに自民党内の反主流派が働いているからね。もっとも石破などはこの機を狙って党内批判もしているけど。こっそり後ろから攻撃している反安倍の自民党員もいるだろうね。

とまあ、週刊文春的な陰謀論を書いてみた。政治オカルト的にはこういう記事が面白いかと思った私である。政界は一瞬先は分からないと言うから、こう言うオカルトもよく記事になる。怪文書が横行するのも政界だ。

もちろんこれも、陰謀論で怪文書のたぐいだ。戯言である。

この辺で締めたいと思います。

長文を読んで下さってありがとうございます。

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