トランプと小池百合子とキュゥべえ

 

news.yahoo.co.jp

 

希望の党の公約が発表された。公約の概要は以下である。

引用

希望の党の公約

①消費税増税凍結

②議員定数・議員報酬の削減

③ポスト・アベノミクスの経済政策

原発ゼロへ

⑤雇用・教育・福祉の充実

ダイバーシティー社会の実現

⑦地域の活力と競争力の強化

憲法改正

⑨危機管理の徹底

■「希望への道」しるべ 12のゼロ

原発ゼロ

②隠ぺいゼロ

③企業団体献金ゼロ

④待機児童ゼロ

受動喫煙ゼロ

⑥満員電車ゼロ

⑦ペット殺処分ゼロ

⑧フードロスゼロ

ブラック企業ゼロ

⑩花粉症ゼロ

⑪移動困難者ゼロ

⑫電柱ゼロ

引用終わり。

たいして目新しい政策ではない。いつもどっかの党が言っている事ばかりだ。だから誰も公約なんか見ない。カーボンコビーのような事しか書いていないからだ。そして守られない。大体公約が実現できたためしもない。だから政治不信なのだ。そして慢性的な政治不信が続いている。不祥事もあるが、公約が実現されないのが大きいのだ。一時期「マニュフェスト」なんて言葉も踊ったが、守られなければ意味がない。

だから政権公約有権者に気持ちのいい空手形ばかりが躍る。票を入れて欲しいからね。セールストークと同じだ。政党の広告なんか見ない。公約などその程度だ。

それでも希望の党の公約が出たのだから少し見てみようと思った私である。マスコミの発言もあるから大体は既知だが、念のため程度である。

案の定、耳障りのいい宣伝文句が書いてある。まず消費税10%凍結である。自民以外はすべて「凍結か廃止」である。公明党も「軽減税率」である。まあそう言うだろうね。増税は票を減らしますから。もちろん自民は別と言っている訳ではない。自民だって散々「減税」を公約の宣伝に使ってきた。どこも必ず書く事である。増税は誰でも嫌がる。

議員報酬とかも大抵どこも言う。散々「議員自ら身を切る改革」なんて言ってる。もしそうなら、議員は骨と皮だけになっていると思うけどね。毎回の選挙で公約になっているのだから「実現していない」って事である。公約が達成できていない。何年「議員報酬や定数」の議論をしているのだ。そして毎回「定数を減らす。報酬を削減」である。有権者をバカにするのも大概したほうがいい。要は票が入るから書いてあるだけだ。後は経済対策とか原発ゼロと適当な事が書いてある。たいして内容には意味はない。どうせ公約なんか守れないからね。

でも違った見方をすれば小池新党が何かがわかる。確かに守るのなら、それなりに意味のある公約だ。宣伝文句としてもまあまあの出来だ。でも内容がない。そして小池百合子は「アウフヘーベン」とよく言う。「違った考え方を持ち寄って議論を行い、そこからそれまでの考え方とは異なる新しい考え方を統合させてゆくこと」という説明がなされることがある。つまりは「いいとこどり」である。これが今回の希望の党の公約のすべてなのだ。

つまりは従来の自民、民進の公約から「有権者に宣伝になる」公約だけ抜き出して書いた訳だ。そうすれば票が期待できるからね。だから小池百合子の発言には理念が見られない。良し悪しは別として考えていることは「票」である。安全保障は自民で、原発は民主だ。票になると思ったからである。

似たような政治家にトランプ大統領がいる。何を考えているか分からない政治家だ。これも同じである。「銃犯罪は減らすが銃を持つ権利は守る」ってできるんですか?オバマの保険制度は廃止するが、社会保障は守るとか?新たな保険制度にするとか言っているけど出来んの?である。

つまり「シングル(ワン)イシュー」の集合体の公約である。議員も寄せ集めと言われているが、公約も寄せ集めだ。私は「大抵選挙の争点は一つか二つ」と書いた。

 

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なら逆の発想である。どうせ有権者の争点は一つだから。個々の争点で票になる政策にすればいい。整合性なんて関係ない。だって有権者は争点は一つしか理解しないからね。と言う発想だ。だからトランプも公約はめちゃめちゃだ。整合性のかけらもない。でもいいのである。アウフヘーベンでは「銃を減らす事と銃犯罪を減らすは同義ではない」って言えるからね。だから小池百合子も「豊洲に移る、築地は生かす」とか滅茶苦茶な事が言えるのだろうが。

そして豊洲と築地の両派から票を集める事に成功した。つまり「豊洲に移る」と「築地に残る」の片方しか有権者は判断していないと言う事だ。もちろん個々の有権者の争点はこれだけではない。個々には個々の「シングルイシュー」がある。それだけ満たしてやればいい。これがトランプや小池百合子のやり方である。原発問題で入れる有権者は安全保障には興味がない。同様に待機児童ゼロで入れた有権者原発が動こうが止まろうが関係ない。そう言う発想のもとで政策を組んだ訳である。その有権者には待機児童ゼロが重要で「築地か豊洲か?」なんて、どうでも良い話だ。一部の関係者が騒いでいる問題である。それより「来年の娘の幼稚園が見つかるか?」である。生活が懸かっているいるからね。幼稚園が見つからなければ働きに行けない。

そしてトランプや小池百合子は「そのシングルイシューの合体」が世論であると考える訳だ。有権者にも政策の優先順位がある。「一丁目一番地」さえ合ってればいい。そこで判断するからね。実際郵政解散はそうである。郵政民営化だけの判断で自民党は大勝したのだ。その発想を拡大させて寄せ集めただけのことだ。

だから理念などない。作れっこない。そもそも「子育てのビジョン」ではなくて「待機児童を減らせ」と言う要望を政策に入れただけだからね。そうすれば子育て世代の票が入ると思っただけだ。原発も安全保障もそうだ。すべて「要望があって票になるから」である。未来のビジョンのかけらもない公約だ。

あんまり叩いてもアレなので、別の見方もしよう。日本は民主主義である。大衆がこの国の未来を決める。政治家ではない。政治家は「ただの代弁者」に過ぎない。政治家にビジョンなどいらないのだ。国民の意見を代弁するロボットであればいい。有権者の代わりに議会で発言するのが仕事で「自分の意見」は言う資格がない。だってそれが「間接民主制」の基本だからね。当事者は国民であり、議員は「交渉代理人」に過ぎない。ならビジョンを語る必要などない。ビジョンは国民が個々に考えるべきことだ。小池新党が勝つと言う事はとどのつまり「国民にビジョンがない」と言う事の裏返しでもある。

時に「魔法少女まどかマギカ」と言うアニメに「キュゥべえ」と言う動物がいる。少女たちに魔法少女になろうと勧誘するインキュベーターである。魔法少女になった少女たちは悲惨な末路になるが、もちろんキュゥべえにも言い分はある。願い事を一つだけかなえてくれるのだ。そして「願いはかなったんだから本望だろう」と言う理屈である。ちゃんと約束は果たしたからそれ以外はキュゥべえの都合である。つまり白紙委任だ。

シングルイシューとはこれである。一つの争点以外はあとは白紙委任だ。待機児童ゼロの経費で増税になっても致し方ない。原発ゼロで電気料金が上がったとしても受け入れるべきだ。再稼働なら今後も事故は絶対に起きる。その時にその被害に日本は耐えられるか分からないけどね。社会保障を拡充するなら、増税はまず避けられない。

結局それが政治かもしれないが。「どうしてもやって欲しい政策」にかけてシングルイシューで投票するか、そうしないかである。実際築地の関係者なら移転問題は死活問題だ。商売ができなくなる恐れがある。ほかの事などどうでも良い。その人たちに「シングルイシューで投票するな」と言っても無意味だ。死活問題なんだからね。「豊洲に行ったら店が潰れる」なら最後まで戦うしかない。あとは白紙委任でも良いと思うだろう。

もちろん、シングルイシューで投票しようが、理念を重視しようが、印象で選ぼうが自由である。棄権してもいい。でもその行動の意味と責任くらいは持っておくべきである。

この辺で締めたいと思います。

長文を読んで下さってありがとうございました。

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