野球と円陣

 

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プロ野球クライマックスシリーズでこれから日本シリーズに向けての戦いである。短期決戦なので一戦、一戦がトーナメントである。ファンにとっても見逃せない試合だろう。ファーストシーズンは3戦だから初戦に負けると後がない。当然選手も気合が入る。

なので、日本シリーズなどの短期決戦では「普段通りやろう」とか監督は抑える方にまわると言う。選手は勝手に気合は入る。熱くなるのだ。優勝に縁のないチームもある。選手生命で数回あるかないかの日本シリーズだ。もちろん優勝できずに終わる選手が大半である。その大会に出場である。誰だって熱くなる。緊張するのだ。だから監督はリラックスして行こうとか緊張をほぐす事に気をつかう。緊張してガチガチでは結果は出ないからだ。無論監督も熱くなったりする。監督だって初めての経験だったりするからだ。

そうしてモメンタムの話に出てくるのが「円陣」である。野球でも5回とか6回によくやる。選手が監督に集まって指示受けたりしているアレである。最近では「円陣を組みました」とか実況する。さぞかし特別の指示をしていると思うだろう。しかし本当は違う。大した指示はしていない。

大抵は「まっすぐに負けないようにしよう」とか「癖玉に気を付けろ」とかどうでも良い指示だ。若干意味があっても「初球から振っていこう」くらいなものだ。具体的な指示は一切ない。「振り負けるな」なんていつもそうである。わざわざ円陣をして言うことでもない。

そして円陣はベンチの前で大抵行う。相手チームから丸見えである。外でやってるから当然である。もし重要な指示ならそんな所で言わない。ベンチ裏で個別にやる。その方がより具体的にできる。相手の反応を見ながら丁寧な指示ができるのだ。イニングの合間に選手を呼んで資料を見せながら指示もできる。よく味方の攻撃中にコーチが選手とベンチで打ち合わせしているのが映されたりする。指示とはこう言う事だ。

似たようものに監督がタイムをかけてマウンドに行ったりするが、あれも大した事は言ってない。「間を取る」とか言うけどその程度である。「相手の調子を見てカウントが悪くなった歩かせろ」なんて言う指示もあると言う。選手にとっては全く具体性がない。そんなのいつも注意することだ。敬遠するのか、勝負するのかも指示していない。だから嫌がる選手もいる。そして勝負して打たれたら「なんで勝負したんだ」、敬遠して次の打たれたら「思い切って勝負だろ」と文句を言われる。どっちみち怒られるのだ。そんな指示はない方がマシである。だから嫌がる。最近は選手もテレビのトークとかしているので「意味が無い。もっと具体的にしてくれ」と言う選手もいる。実際そんな監督も多いらしい。

実は円陣には別の意図もある。試合だから相手がいる。相手がどう見るか?である。当然ベンチの前で堂々とやる。相手に見える。むしろ逆である。「相手に見せる」ために円陣を組むのだ。幾ら大した意味が無くても、どうしても意識する。それで制球が乱れたら隙が生まれる。こっちはただ円陣を組んだだけだ。何のリスクもない。たまたま円陣を組んでヒットが出ただけだが、打たれた投手はまぐれとは思わない。どうしても意識する。その疑心暗鬼が隙になるのだ。

なので円陣には意味はないが、意図はある。相手を惑わす意図だ。ちなみに捕手のサインの中に「首を振れ」と言うサインがある。通常は「カーブ」とか球種のサインであるが、これも意味ないが意図はある。投手にわざと首を振らせるサインなのだ。

投手には持ち球と言うのがある。持ち球の多い投手もいれば、少ない投手もいる。江川は自慢の速球とカーブのみで、それ以外はほとんど投げない。上原や佐々木はフォークである。シュートが武器だと言う投手もいる。西本はシュートが武器だった。

持ち球の少ない投手は配球を読まれやすい。江川はカーブと速球しかないのだ。なのでカウントで配球傾向が分かってしまう。当然打者もデータを調べてヤマを張っている。実は投手も捕手も打者も「次は速球」と読んでいる。でもそれだと打たれる確率が高い。打者の読みを外させる必要がある。

なので意味もなく「首を振らせる」。どうしても打者は意識する。もしかしたら速球じゃなくて裏を突いてカーブとか?どうしても考える。疑心暗鬼になるのだ。それが狙いだ。100%速球の読みが20%カーブを意識すれば対応が遅くなる。凡打になる可能性が増える。ただ首を振っただけだ。リスクはない。

 

勝負事には一見意味の無い行為にも意図があったりする。意味と意図は違うのだ。

この辺で締めたいと思います。

長文を読んでくださってありがとうございました。

 

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